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terzo piatto :【 l'inferno pagro#1 pentola de bollitura pagro 】
〜マダイ地獄 巨マダイしゃぶしゃぶ〜
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【今回の獲物】  Buon anno! 昨年の師走のこと。雪が積もった朝、ふと外に目をやると巨マダイが横たわっていた。 傘子地蔵の仕業だな。ちょうどいい。こんな寒い日は鍋だな。うん、仕事から帰ったら今夜は鍋にしよう。 これぐらい肉厚だとうれしいね。よし、深夜の一人しゃぶしゃぶと洒落こもう。
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【鍋】 しゃぶしゃぶはやはりしゃぶしゃぶ鍋でしゃぶしゃぶするほうがいいね。しゃぶしゃぶしゃぶしゃぶうるさいな。 一家に一鍋、しゃぶしゃぶ鍋でいただこう。 鍋の中が効率的に対流するので常に湧いた状態を保てる構造なのだと思う。 あ、今回も酒の姿が……。
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【材料】 別に各人の好みでいいのでは……。 僕の場合はシンプルに、無農薬で育てられた形が不揃いの春菊、それと有機丸大豆の豆腐だな。これも好みの別れるところだが、木綿が好き。絹は崩れやすいし、ちょっと水っぽい。もっと、「身」って感じがするほうがいい。 あと、忘れちゃいけないのが、柚子こしょうだ。薬味にこれがないと美味しさは33%減という結果が出ている(当社比)。 ダシは利尻の昆布。あと、鯛。鯛がないと湯豆腐になるからな。う。
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【給水】 しゃぶしゃぶ鍋に水を注ごう。 塩素臭が好きな人や、美味しい水が蛇口からそのまま出てくる恵まれた環境の人はそのままどうぞ。 僕の場合は、米国・ゼネラルエコロジー社のシーガルフォーで濾過した水だ。鉄人のスタジオもこれだったね。
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【ダシをとる】 利尻の昆布をふんだんに使おう。 利尻昆布はダシ昆布として京都ではメジャーだね。澄んだダシで、ちょっと塩味を感じる。繊維質が多く、旨み成分がたくさん含まれているのがダシ昆布。日高昆布はダシ用ではなくて、佃煮や昆布巻きなどで食べるほうだからな。 昆布の汚れは、固く絞った布巾で拭くように。水洗いはダメよ。アイスクリームを水洗いするようなものだから。この例えって適切かなぁ?
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【引き上げる】 沸騰寸前に昆布を引き上げよう。いつまでもグラグラ煮ていると生臭みが出てしまうぞ。唐山先生も言ってた。 これでダシが取れているの?と思うかもしれないが、ちゃんと出ているのだ。 感じられなかったら、ちょっと味蕾が外出中かもね。
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【座る】 以上で準備はおしまい。あとは、テーブルに材料と器を置いて、卓上コンロに鍋を移せばよい。 で、酒でも飲みながらゆっくり、しゃぶしゃぶしゃぶしゃぶと楽しもう。食べる分だけを一つずつ自分のペースで火を通そう。 あ、卓上コンロだけど、僕はアモルフォがお気に入り。これは普通のコンロよりも五徳の位置が低いので、鍋の中がよ〜く見渡せるのだ。
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【皮なし】 今回は鯛を2種類用意した。1つはこの皮なしのパターン。本当にサラッとお湯の中をくぐらせるだけでいただきたいね。火を通し過ぎないように。ほんのりと回りが白くなったら引き上げて、柚子こしょうを溶かしたポン酢にちょっとつけてパクっと。ゆっくりと鼻から息を抜くように噛むと、ほら、白身魚の旨みが感じられるでしょ?で、キュッと日本酒を口に注ぐ。ゴクリ。喉が鳴るねぇ。鯛はね、もともとアミノ酸の一種のグルタミン酸とイノシン酸が豊富な魚だから旨いんだけど、軽く熱を加えると旨みが更に強くなるね。
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【皮つき】 今度は皮つき。皮なしよりも、もう少し火を通そう。皮目が立つくらいに。それをタレにつけて口に入れる。皮と身の間のゼラチン質がねっとりとした旨みを出して、白身の上品な旨みと合わさるのだ。そして、皮のプニッとした食感。ハフハフと食べて、常温のお酒をグイッとあおる。合間に春菊を食べる。 お、体がだんだん暖まってきたぞ。